本質はそのままに
磨き抜かれた新生「今錦」かんてんぱぱグループ 米澤酒造株式会社

100年以上もの歴史を誇る米澤酒造

伊那谷のほぼ中央にあり、西は中央アルプス、東は南アルプスに囲まれた中川村。「日本で最も美しい村」の一つとして知られるこの地に、米澤酒造は1907(明治40)年に誕生しました。以来、南アルプスの豊富な伏流水と地元産の酒米を中心に使用し、昔ながらの酒槽(さかぶね)搾りで造られてきた「今錦」は、100年以上にもわたって地元の人たちに愛され続けてきた地酒「おらが酒(私たちの酒)」です。
また、2005(平成17)年、飯沼地区の美しい棚田の景観を残していきたい100年以上もの歴史を誇る米澤酒造と、地元の人たちが飯沼農業活性化研究会を結成。棚田を復活させ、その棚田で作った酒米で仕込んだ「飯沼棚田米おたまじゃくし」を発売するなど、地元との強い結びつきの中で、中川村の景観や文化を守り育んできました。
2014(平成26)年には、地酒という日本古来の文化を残すために、かんてんぱぱで全国的にもその名が知られる伊那食品工業のグループ会社となり、蔵や設備を一新。本社の研究所で試験醸造の免許を取得し、長野県と酵母の共同開発を行うなど、杜氏や蔵人の技術とともに、データに基づいた新しい酒造りが開始されました。

今錦の写真 外観の写真
「日本で最も美しい村」の一つに数えられる中川村に位置する米澤酒造。敷地内から一望できる雄大な風景は、四季折々に違った表情を見せ、感動を与えてくれます
稲刈りと醸造所の写真
「飯沼棚田米 おたまじゃくし」は、美しい風景が守られ
ている飯沼地区の棚田米を使用。田植えや稲刈りは、
たくさんの村人とともに行っています

同質の酒を毎年造る再現性を追求

米澤酒造の最大の特長は、伝統的な酒槽搾りです。酒槽搾りは、木などで造られた酒槽に醪(もろみ)を入れた酒袋を積み重ね、上から圧力をかけて搾る方法です。何百枚もの袋に醪を入れるのも酒槽の中に並べるのも手作業。搾る時間も2日もかかりますが、それだけに、やわらかく雑味のない日本酒が仕上がります。聞けば、全国でも実際に酒槽を使っている酒蔵はたくさんありますが、作っている日本酒は単価が高く、品評会などに出品するものばかりだとか。手間も時間もさらにコストもかかる一方で、間違いなく酒槽搾りならおいしい日本酒ができると、米澤酒造は新体制となったときに酒槽搾りを残すだけでなく、純米大吟醸酒から普通酒まですべてを酒槽搾りで行う蔵として再スタートを切りました。
また、地元の酒米を使うこだわりも継承し、酒米はほとんど中川と飯島産を使用。「農家さんとのお付き合いが密なんですね。今日はどこのうちの米を使うとか、あそこのうちの田んぼだから米が水をよく吸うとか、そういったところまでよくわかります」と語るのは坂口竣弥杜氏です。草刈りや稲刈りのお手伝いに行くこともあり、作り手の顔が見える安心感があるといいます。「田んぼごとで酒米は個性があり、違いもあります。それなら米作りをもっと勉強しなくてはいけない、やってみたいと思っています」と坂口杜氏の探求心は尽きることはありません。
日本酒の世界では再現性が求められます。けれども、まだまだ日本酒には解明されていないことも多く、こうしたらおいしいお酒が造れるという答えはまだ見つかっていません。最新技術によるデータで傾向や対策がわかっても、それを実現するにはどうしたらよいか、まだまだ試行錯誤を繰り返しているといいます。「蔵にはお酒の神様がいると思っています。だからお酒の神様に嫌われないようにしたいですね」と坂口杜氏。神棚に手を合わせ、心を整え、醪と向き合う。和を重んじ、仲間とともに楽しく仕事をする。わからないことはわかるまで、またはわからないことが何かわかるまで突き詰める。杜氏としての技術や経験はもちろんのこと、そういう日々の積み重ねによって「今錦」は作られています

酒槽と今錦木槽(きふね)搾りの写真
今でも現役の木製の酒槽は、いつ作られたものか、また材質などについて
もわかる人がもういないとのこと。
シーズンオフには柿渋で磨いてつやを出し腐食を防ぎます
坂口竣弥氏の写真
「おいしいお酒を安定的に造れるように、こうすればよいということを見つけていきたい」と語る坂口竣弥氏

中川村の地酒が世界の銘酒へ

米澤酒造が目指すのは、おいしさと旨味があり、酸と甘みのバランスがとれていて後味 はすっきりときれる酒だといいます。これは、いわゆる淡麗辛口とは一線を画したもの。漬物やおたぐりなどを肴とする長野県の食文化に合う日本酒です。また、新しい「今錦」は、味は明らかに変わったけれども、水や酒米などの本質は何も変えていないといいます。伊那食品工業の衛生面や品質管理のノウハウを組み込みクオリティを上げていくと、自然と雑味がなくなり、宝石の原石が磨かれて、光を放つようになっただけなのだと。だからこそ、昔からのファンも離れず、地元の人たちが「おいしい」と飲み続けていてくれるのです。
新体制となって7年目を迎えた2020(令和2)年、毎年ロンドンで開催される世界最大規模のワイン品評会「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2020」「SAKE部門」において「今錦 年輪 純米大吟醸」「今錦 純米大吟醸」がゴールドメダルを受賞。「今錦 年輪 純米大吟醸」については、ゴールドメダルの中でも特に優れたものに対して与えられる「リージョナルトロフィー」を獲得しました。新体制となり、造り手たちが渾身の想いを込めて生み出した新生「今錦」。中川村の「おらが酒」は、世界で認められる銘酒となりました。

酒井武彦課長と長塚越英弘氏の写真
「今後も地域の皆さんと協力しながら、文化や美しい景観を残していきたい」と語る米澤酒造の専務取締役であり、伊那食品工業の代表取締役社長塚越英弘氏(右)。研究開発部で、長野県とともに酵母の共同研究を行っている酒井武彦課長(左)
直営ショップの写真
直営ショップでは、無料の試飲や日本酒やオリジナルグッズなどを販売
今錦の写真
「今錦 年輪 純米大吟醸」(左から2本目)山田錦を使用し、精米歩合は39%。深みのあるうま味とキレの良さが特長。
新体制となって初めてつくられた銘柄で、伊那食品工業の「年輪経営」から名付けられました
  • 米澤酒造「今錦」PV

  • SAKE IMANISHIKI in Nagano,Japan

  • SPECIAL MOVIE

米澤酒造株式会社のロゴ 米澤酒造株式会社の外観
社名 かんてんぱぱグループ 米澤酒造株式会社
TEL 0265-88-3012
営業時間 9:00~17:00
(1月~2月末は16:30まで)
定休日 月曜日(祝日は営業)
アクセス 長野県上伊那郡中川村大草4182-1
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URL https://www.imanisiki.co.jp  

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