地域とともに育む
文化が香るクラフトビール南信州ビール株式会社

ビールの写真
  1. 01 ゴールデンエール 黄金色のビール。華やかな柑橘系の香りとすっきりとした口当たりで飲みやすい
  2. 02 アンバーエール 濃厚でコクが深い褐色のビール。カラメルモルトの香りとホップの苦みがマッチ
  3. 03 デュンケルヴァイツェン 小麦麦芽を使用した黒ビール。バナナのような香り、濃厚な味わいが特長
  4. 04 アップルホップ リンゴに最適なホップを使用し、独自のレシピで作り上げた「アップルホップ」。 リンゴの種類はシールで表示
  5. 05 宝剣岳エール ラベルに宝剣岳のシルエットが描かれた「宝剣岳エール」。 休耕地を利用して栽培した二条大麦を麦芽(モルト)原料として使用

長野の地ビールメーカー第一号として誕生

長野県初の地ビールメーカーとして南信州ビールが誕生したのは、1996(平成8)年のことです。中央アルプス駒ヶ岳山麓標高800mの宮田村で、中央アルプスの雪解け水を豊富に含んだ伏流水と厳選したホップや麦芽(モルト)を原料にしたビールは、時間をかけて色や香り、味わいを楽しめるエールビール。フルーティーで芳醇な香りと柔らかな味わいは、南信州ビールならではの特長です。
ここで初めて南信州ビールを飲んだ時には、身震いするほどのおいしさに感激しました。そしてビール醸造は文化性の高い仕事なんだと強く感じました」と語るのは、創業当時からビール造りに携わる竹平考輝さんです。アメリカから来た専門家にビール造りを一から教えてもらいながら、竹平さんは地ビール(=クラフトビール)の「地」とはどういう意味なのかを考えるようになったといいます。「地」ビールと銘打つからには、その土地で造っているというだけでなく、地を知り地域の人たちと協力しながら風土の資源を生かすことでもっと文化性を高めたいと。そして地元原料でビールを造りたいという思いから一人で六条大麦の発芽試験を行うなど、試行錯誤を繰り返しするようになりました。

竹平さんの写真
「伊那谷産の二条大麦は県内の他メーカーやパンやピザの生地にも使用してほしいですね。そうすれば農業も活性化して関係する皆さんが元気になるはずです」と語る竹平さん

地元素材を使用した商品の誕生

そんな中、2008(平成20)年に誕生したのが「アップルホップ」です。この年、台風などの影響で生食用として店頭販売できなかったリンゴを原料にし、独自の製法でリンゴの香りと味わいを全面に出した発泡酒です。「生みの親は竹平で、醸造担当の伊藤と私が育ててきた発泡酒です」と話すのは現在ブルワーとして活躍する丹羽隆さんです。
アップルホップ」の大きな特徴は、幾種類もあるリンゴをあえてブレンドせず、品種ごとに製造ロットを分けることで、そのリンゴが持つ特徴を最大限に生かしていること。現在、それぞれに色や香り、味わいの異なる、つがる、シナノスイート、紅玉、王林、シナノゴールド、地元素材を使用した商品の誕生ジョナゴールド、ふじ、秋映の8種類があり、飲み比べてみるとその違いの大きさに驚くほどです。「『アップルホップ』を飲んで、これはシナノスイート、こっちは紅玉と、品種を当てられるようになってもらえたらうれしいですね」と丹羽さん。また、「アップルホップ」に使用するリンゴは全て伊那谷産を使用しています。あえてこの地域のリンゴを使うのは、鮮度を保てることと品質に対するリンゴ農家への信頼からです。「農家も我々醸造家も消費者に安心・安全でおいしい商品を届けたい気持ちは一緒で、この想いが形になったのが『アップルホップ』です。そしてこの積み重ねが地域に根付いた産業に繋がると信じています」。
2017(平成29)年には、宮田村と駒ヶ根市が協働で栽培した二条大麦「小春二条」をモルト原料にした「宝剣岳エール」を発売しました。二条大麦の栽培は宮田村・駒ヶ根市の休耕地を活用し、今まで高いハードルとなっていた麦芽(モルト)作りは製麦会社の協力を得られることにより実現することが出来ました。開発を担当したのは丹羽さんで、レシピは麦の香味が感じられることを考え、南信州ビールを代表する「ゴールデンエール」をベースにアレンジ。芳醇な麦の香りと柔らかく穏やかな飲み心地の「宝剣岳エール」が誕生しました。「地元原料へのこだわりは、南信州ビールの、ひとつの大きなアイデンティティーです」と言う丹羽さんの言葉には、南信州ビールと地域に対するゆるぎない自信と期待が感じられます。
念願の地元モルトを原料にした「宝剣岳エール」の誕生は、南信州ビールの大切なターニングポイントとなりました。

ビールを製造している写真
「酵母にとっての最適な発酵環境を整えることがクラフトビール職人の役目です」と語る丹羽さん

地域への気持ち、つながる

丹羽さんが目指すのは、ここに住んでいる人たちが飲んだときに南信州の風景を思い浮かべることができるビールだといいます。そんなビールを造るために大切なのは地域の人々や環境に感謝する「気持ち」と自分が一番の南信州ビールファンである「想い」とのこと。「もちろん醸造技術は必要なことですが、どれだけの『気持ち』や『想い』でビールを造るかで変わってきます。クラフトビールであるからこそ心の在り方が品質に表れます。大切な想いを忘れてしまえば南信州ビールが目指すビールは造れません」と丹羽さんは言い切ります。そしてこの考え方をしっかりと他のスタッフにも伝えていきたいといいます。
「うちで作っているビールは全部好きですが、リニューアルした『スプリングセッション』はおすすめです。アルコール度数4.0%の低アルコールビールで、ブルワーの起案でホップの香りを豊かにしたんですよ」と語る竹平さん。これは将来的に地元のホップを使用することを見据えた商品で独自の製法で改良したといいます。
地ビールのパイオニアとして、長野県の地ビール業界をけん引する南信州ビール。創業当時から続く地元共生の考え方は脈々と受け継がれ、個性豊かなクラフトビールを作り続けています。

  • 南信州ビールPV

  • Minami Shinsyu Beer in NAGANO,JAPAN

南信州ビールのロゴ 南信州ビールの外観
社名 南信州ビール株式会社 駒ヶ岳醸造所
TEL 0265-85-5777
営業時間 9:00~16:00
見学最終受付 15:30まで
(見学のご予約はマルス信州蒸溜所まで)
定休日 日曜日・年末年始・臨時休業あり
アクセス 長野県上伊那郡宮田村4752-31
GoogleMapsで見る
URL http://ms-beer.co.jp/  
味わい工房のロゴ
店名 直営レストラン 味わい工房
TEL 0265-81-7722
営業時間 11:30~15:30(15:00LO)
17:00~21:00(20:00LO)
定休日 木曜日(月曜日はランチのみ)
アクセス 長野県駒ヶ根市赤穂759-447 駒ヶ根ファームス2F
GoogleMapsで見る

その他の酒蔵