
麓からバスに乗って約30分、駒ヶ岳ロープウェイで7分30秒の空中散歩を楽しめば、もうそこは2,612mの雲上の世界です。私が「千畳敷カール」に初めて訪れたのは初夏。目の前に迫る宝剣岳の迫力に圧倒されたことを今でも覚えています。写真だけでは伝わらない大自然の迫力と美しさ、そして何度訪れても色あせることのない感動を、ぜひ目と心で味わいに足を運んでみませんか。
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千畳敷カールの春夏秋冬

伊那谷を南北に約100km連なる木曽山脈、通称「中央アルプス」は、日本百名山のひとつ、木曽駒ヶ岳(標高2956m)を最高峰とする、日本アルプスのひとつです。
1967(昭和42)年、しらび平から千畳敷カールまでの標高差950mを登る駒ヶ岳ロープウェイの開通によって、誰でも一年中3000m級の山々に親しめるようになりました。千畳敷カールの名前の由来は、千枚もの畳を敷けるほど広いというところから。
白銀の世界でスノーシューやスキーを楽しむ春をはじめ、高山植物の花畑が広がる夏、ダケカンバやナナカマドなどが色づく秋に、霧氷やダイヤモンドダストなどまるで芸術のような冬景色まで、季節ごとの絶景に出会えます。
千畳敷カールまでのアクセス

千畳敷カールへは専用バスとロープウェイで向かいます。一般車進入禁止のため、菅の台バスセンターから専用バスに乗り約30分、駒ヶ岳ロープウェイのしらび平駅へ。そこから駒ヶ岳ロープウェイでわずか7分半、山頂駅の千畳敷駅に到着します。ロープウェイの中では眼下に広がる滝や植物を音声ガイドで案内してくれるので、景色を眺めながらの空中散歩を楽しめます。
菅の台バスセンターの駐車場に車を停め、バスとロープウェイを使い往復すると大人一人5,000円。駅を降りるとすぐ宝剣岳と千畳敷カールが目の前に広がっています。登山をはじめ、カール内の散策やのんびりとカフェタイムを過ごすなど、楽しみ方はいろいろ。
ただし、ここは高山地帯。天候の急変や危険な場所もあるので、登山や散策の場合は、適切な装備を忘れずに。
日本最も高い所に建つ「ホテル千畳敷」

駒ヶ岳ロープウェイ・千畳敷駅に併設しているのが、「ホテル千畳敷」です。宿泊、食事処、お風呂を備え、室内からは四季折々の中央アルプスの姿や星空、駒ヶ根の夜景などを楽しめます。
下界と変わらないサービスを提供してくれるホテルですが、高所ゆえにさまざまな工夫が必要だそう。気圧が低いので水の沸点は約92度。ご飯を炊くには圧力釜が不可欠で、煮物も通常よりも時間がかかりますが、煮崩れはしないんだとか。
また、水道が通っていないため、雪解け水をろ過して使用しています。ほかにも、始発前のロープウェイで小まめに仕入れをおこなうなど、私たちには見えない影の努力で、訪れた人たちをおもてなししています。
一度は見たい!“降り注ぐような星空”と夜景

千畳敷カールの夜は見どころのひとつ。外界の光が届きにくく、とてもきれいな星空を眺められます。天気が良ければ天の川も…。遠くに見える駒ヶ根市街の夜景や、朝日に染まる宝剣岳は宿泊者のみが見られる景色です。特に冬場には言葉にできないほど感動的な光景に出会えることでしょう。


四季折々の絶景はもちろん、約3,000mの高山地帯へロープウェイで一年中いつでも行けるのが千畳敷カールの魅力。来るたびに出会える新しい感動を味わいにぜひ来てみてください。