そばは、みなこいエリアに息づく大切な食文化の一つ。地元の風土が育てたそばは優しい味わいと心地よい香りを楽しめます。店主の人柄がそのままそばの味わいに反映される、個性豊かなそばをぜひご堪能ください。
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終日のんびりしたくなる「十割蕎麦 ひねもす」

春の海 ひねもす のたり のたりかな(蕪村)。ひねもすには「終日」という意味があります。その名の通り、風情のある古民家に一歩足を踏み入れると、なつかしい親戚の家をたずねたような居心地の良い空間が広がり、つい終日過ごしたくなる心地よさ。静岡県から飯島町に移住した山が好きという夫婦が開いた店では、時がゆっくり、そして季節ものんびり流れています。
おすすめのそばは自家製粉したそば粉で丁寧に打つ十割そば。殻のついたまま玄そばを挽く「玄挽き」はそばの香りがたかく、コシのある食感を楽しめます。実を崩さずに殻を取り除いた「丸抜き」の十割そばは上品な味わいを満喫できます。その両方を一度に味わいたい人には、人気の「二種食べくらべ」がおすすめです。
長野県上伊那郡飯島町田切3019-3/電話0265-98-8596/11時~14時/月曜、火曜(祝日の際は翌日振替)
そば本来のうまみと香りを楽しむ「丸富」

駒ヶ根高原の清々しい空気を感じながら、駐車場に車を停めて一段下がった場所にひっそりとたたずむ店へ階段を降りていきます。初めて来たのに懐かしさがじんわりと感じられる店内では呼吸が静かに整っていく感じがします。
「そばのおいしさは、そばの実の良し悪しで決まります」という店主。一番時間を費やしているのはそば実の選定だそう。ハンドピックで良くないそばの実を取り除き、良い実をそろえます。そばは飯島産メインですが、飯田市で店を構えていた頃から使っているという、下栗の里のそばも使用。それぞれを石臼で自家製粉したそば粉で、朝一番、夏場は3時からそばを打ち始めます。料理やそばに使う水は中央アルプスの伏流水。地下50mからくみ上げる超軟水のおいしい水です。
細くて上品、豊かな味わいの「十割蕎麦」とコシのある食感と風味を味わう粗挽き蕎麦(二八蕎麦)、下栗の里のそば粉で打つ「しらびそ蕎麦」などがメニューにならびます。本日の野のもの料理もおいしいと評判です。
今回はみなこいエリアの中でも女性に人気のそばを堪能できるお店をご紹介させていただきました。まだまだ魅力的な「そば店」はみなこいエリアにはたくさん。また次回をお楽しみに!