
1996(平成8)年、中央アルプスのふもと標高800mの宮田村で誕生したのが「南信州ビール」です。ゴールデンエールをはじめ、アンバーエール、ヤマソーホップなどの定番のほかに、スプリングセッションや駒ヶ岳エールなど6種類のシーズンビール、さらに宝剣岳エールなどバラエティーに富んだビールが味わえます。今日はそんな「南信州ビール」の醸造所にお邪魔させていただきました。
唯一無二の水と自然豊かな環境で醸し出されるおいしさ
シルクのような泡をたっぷりのせた黄金色に輝く「ゴールデンエール」がテーブルに運ばれてきます。「んん、おいしい…!」 フルーティーで華やかな甘い香りがふわりと鼻に届いたかと思うと、口の中から胸の奥へとさわやかなテイストが広がります。中央アルプスの雪解け水を仕込み水に厳選したホップと麦芽を使用したビールは、ひと口含むだけでぜいたくな気分へといざなってくれます。
2杯目に頼んだのは「デュンケルヴァイツェン」。スタンダードなレシピをアレンジした黒ビールです。バナナのような香りとスッキリとした飲み口ながらコクが楽しめる1杯。小麦麦芽を使用しています。
3杯目は「Imperial Red Ale(インペリアルレッドエール)-岩井WCF(ワインカスクフィニッシュ)」を。南信州ビール駒ヶ岳醸造所があるのはマルス信州蒸溜所の敷地内。そんな関係で「岩井トラディション ワインカスクフィニッシュ」というウイスキーを熟成させた樽で、発酵・熟成させたビールなのです。ウイスキーとワインが混在する香ばしいカラメルのようなほんのり甘いフレーバーでホップのほろ苦さが感じられます。
アップルホップやヤマソーホップも味わって
2008(平成20)年に誕生したのが「アップルホップ」。これは、台風などの影響で生食用として店頭販売できなかったリンゴを原料にしたのが始まりだそうです。リンゴの品種ごとに製造ロットを分けているので、シナノスイートや紅玉、王林、シナノゴールド、ジョナゴールドなどそれぞれ異なる香りや味わいを楽しむことができます。瓶には原料になっているリンゴ品種のシールが貼られています。品種ごとのリンゴの特徴や個性を全面に出すのかは企業秘密だそう。
「ヤマソーホップ」は、地元、宮田村産のワイン「紫輝」の原料でもあるでヤマソービニオンを原料にしたフルーツビール。ヤマソービニオンの鮮やかな紫色をしたビールで、赤ワインのような芳醇な香りと重みのある味わい、程よい酸味を楽しめます。
南信州ビールは、リンゴやヤマソービニオンはもちろん、現在駒ヶ根や宮田で育てた二条大麦を使うなど、地元の人たちと協力して作るビールを目指しています。
直営レストラン味わい工房で料理とのマッチングを楽しむ
南信州ビールを制覇、堪能したいなら、駒ヶ根高原にある直営レストラン「味わい工房」へ。「ただ今の季節限定ビール」と題して、四季折々に飲めるその時期だけのビールや、ここでしか飲めないビールにも出会えるかも。
食事メニューも南信州ビールと合うものばかり。「とろとろ根羽和牛鞍下(くらした)肉のビール煮込み」や「信州味噌ピッツァ」、鹿のソーセージなどが入るソーセージなどの「ソーセージの盛り合わせ」などなど、相性抜群のメニューがならびます。どれもクセになるおいしさです。
http://ms-beer.co.jp