三ノ沢岳

中央アルプス登山といえば、地元では「西駒」の愛称で親しまれている木曽駒ヶ岳登山が観光客には人気です。そんな木曽駒登山を達成した方に、次におすすめなのが私たち編集部のお気に入り「三ノ沢岳」(標高2,847m)。景色を楽しみながら稜線歩きを楽しめて、しかも登山者が比較的少ない穴場スポット。中級者向けのコースではありますが、自分のペースでゆっくりのんびりチャレンジできる点も魅力です。今日は編集部が訪れた「三ノ沢岳」をご紹介させていただきます。
 

 

天空の花畑目指して、出発!

7月中旬の晴天に恵まれた当日。始発の駒ヶ岳ロープウェイに乗り込み千畳敷へ。多くの人が木曽駒ヶ岳登山のため駒ヶ岳神社の北側から乗越(のっこし)浄土へと向かう中、私たちは南側の登山道から極楽平を目指して、いざ山登り開始です。

千畳敷カールから極楽平までの登山道。雲ひとつない晴天に恵まれました
 
振り返ると雲海が広がっています
極楽平

ハイマツなどの小低木が広がり日をさえぎるものが何もない斜面を約40分かけて極楽平へ。極楽平の少し先には、宝剣岳方面、空木(うつぎ)岳方面、三ノ沢岳方面の3つの分岐点があります。宝剣岳を迫力ある姿を間近で眺めることができ、鎖場を登る登山者の姿も肉眼で確認できます。

登山ルート途中からの絶景。遠くに御嶽山の独立峰が佇んでいます
時には設置されたロープを使って岩をよじ登ります
チングルマとイワカガミ

絶景を眺めながらの稜線歩き
ハイマツの山道をアップダウン

三角錐の山容が美しい三ノ沢岳は、頂上直下に三ノ沢カール群があり、高山植物が豊富なことで知られています。登山コースは分岐点から一本道をピストンで行って帰ってくるルート。尾根歩きのため、360度を絶景に囲まれながらの登山を楽しめます。

頂上手前に広がる高山植物の花畑

しかし景色が良い分、日差しの強さを感じやすく、時には岩場を越えながらアップダウンするルートなので体力を使います。適度に休憩を取りながら進みましょう。無理だと感じたら引き返すことも大切。また、膝丈ほどのハイマツの中を進むため、足を保護できるロングパンツもしくはタイツは必須です。

三ノ沢岳頂上
頂上付近のサルの群れ

山頂手前には大きな花畑
御嶽山から木曽駒ヶ岳まで360度の大パノラマ

ハイマツと岩の登山道をアップダウンしながら頂上を目指していくと、山頂手前にこのルートで一番大きな花畑に出会います。抜けるような青い空、一面に広がる白と黄色の花畑を見れば、これまでの苦しさが消え、一気に気持ちが華やいできます。

ここからは頂上まであとわずか。登山開始から約3時間で三ノ沢岳山頂に到着。花こう岩が積み重なった頂上からの御嶽山や木曽駒ヶ岳までの主稜線を見渡す展望は雄大で、大パノラマを満喫できます。

三ノ沢岳山頂からの帰りのルート。木曽駒ヶ岳~宝剣岳までを一望

山頂は思った以上に狭いので、ほかの登山者と順番で写真撮影を済ませ、頂上北側の岩場でお弁当タイムに。頂上付近にはサルの群れがいて、途中ですれ違った登山者からも「お弁当には気をつけてくださいね」との注意をいただきました。地元の山岳写真家いわく「夏になるとこの付近に毎年サルの群れがいる」とのこと。念の為、注意が必要です。

頂上北側の岩場で食事

谷間からの涼風に癒やされながらの帰り道
極楽平尾根では固有種ヒメウスユキソウも

ゆっくり休憩を取った後は再び同じ道を戻ります。日が昇り気温も上がってくるため、日差しを常に浴びながらのアップダウンの登山道はきつくなってきますが、時折谷間から吹く涼風に応援されながら、なんとか極楽平まで戻ってきました。行く時には気づきませんでしたが、極楽平の尾根には中央アルプスの固有種である「ヒメウスユキソウ」や、「チシマギキョウ」などを見ることができました。

極楽平尾根付近で見かけたヒメウスユキソウ

駒ヶ岳ロープウェイを使えば千畳敷カールを基点に往復約6~7時間で日帰り登山ができます。中央アルプスの主稜線から離れ、端正な姿でたたずむ三ノ沢岳は、木曽駒ヶ岳とはまた違った魅力にあふれています。花畑での撮影を狙うなら7月上旬~中旬頃がおすすめです。

駒ヶ岳ロープウェイ
長野県駒ケ根市赤穂759-489
中央アルプス観光株式会社 0265-83-3107