日本一美しい村連合に加盟する中川村。人口5,000人に満たない小さな村に、1907(明治40)年創業、110年以上続く米澤酒造があります。そこのお酒が2020年には世界酒蔵ランキングの第9位にランクイン。今回は、そんな米澤酒造の魅力をご紹介したいと思います。

全量を酒槽搾りする全国にも珍しい酒蔵
南アルプスのふもとの豊かな自然環境と良質な水に恵まれた土地で、明治から続く伝統的な酒槽(さかぶね)搾りで「今錦」をかもし続けている米澤酒造。酒槽搾りとは、木で造られた酒槽にもろみを入れた何百枚もの酒袋を敷き詰めるように積み重ね、上から圧力をかけてゆっくり搾る方法です。

手間がかかるため、今では珍しくなった技法ですが、現在も酒槽搾りをしている酒蔵は全国にあるといいます。けれど、米澤酒造のように全量を酒槽搾りしているところは少ないそう。どうしても単価が高くなってしまうので、品評会に出品するような酒がほとんどだとか。米澤酒造では2日間かけてじっくりしぼっているので、やわらかく雑味のないお酒が出来上がるのです。



IWCゴールドメダル受賞!世界が認めた「今錦」と「年輪」

米澤酒造は2014(平成26)年、地酒の文化をこの地域に残すために、かんてんぱぱで知られる伊那食品工業のグループ会社になりました。蔵や設備を一新したこともあり、お酒のコンクールに出品。しばらく銀賞受賞が続きましたが、ついにサケ・セレクションをはじめクラ・マイスターで評価を受け、世界最大規模のワイン品評会「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2020」の「SAKE部門」において「今錦 年輪 純米大吟醸」「今錦 純米大吟醸」がゴールドメダルを受賞。「今錦 年輪 純米大吟醸」については、ゴールドメダルの中でも特に優れたものに対して与えられる「トロフィー」も獲得しました。

米澤酒造が目指すのは、おいしさと旨味があり、酸と甘みのバランスがとれていてキレのある酒だといいます。実は、みなこいエリアでおつまみにされることが多い漬物やおたぐりなどにぴったりの味わいなのです。




中川村の棚田という景観を残していきたい

2005年頃から、飯山地区の美しい棚田の景観を残そうと、地元の人たちと飯沼棚田保存会を結成。耕作放置地で酒米を作ることで棚田を復活させ、作った酒米で仕込んだ「飯沼棚田米 おたまじゃくし」を発売するなど、地元との強い結びつきの中で、中川村の景観や酒造り文化を守り育んでいます。

「酒造りにはわからないことが多いんです。こうすればいいと言う正解がない。だから面白いんですね」と杜氏は話します。「お酒の神様がいると思っています」とも。神様に見守られて、今年もおいしいお酒が生まれています。ショップにはそのラインナップが並ぶのでお土産にもおすすめです。