「薪火(まきび)に寄り添う」。そんなコンセプトのもと、薪ストーブや薪火アクセサリーの販売を通して、火と共にある豊かな時間と空間を提供している「ファイヤーサイド」(駒ヶ根市)。その代表であるポール・キャスナーさんに、駒ヶ根と薪火の魅力について聞きました。

 

 

尺八の音色に魅せられ
修行するために来日

  

 ポールさんは、アメリカボストン生まれ。日本に興味を持ったのは20歳の時に見た黒澤明監督の映画「七人の侍」でした。その後、ボストンでオーケストラと尺八、琵琶の演奏会に行き、名人である横山勝也さんの尺八のソロ演奏を聞いたそうです。その尺八の音色との出会いが日本に住む原点になりました。

 「バックパックひとつで東京にやって来ました。そして念願の横山勝也先生に尺八を習うことができました。横山先生は尺八が上手というより、まさに天才。独特の音色、表現、スタイルが大好きでした」

 

ワクワクする方に流れていったら
今の暮らしに

 

 尺八を思う存分練習したくて、長野県下伊那郡の山奥に移住。薪ストーブでの自給自足の生活を始めました。

「背負子(しょいこ)とのこぎりで薪づくりをする生活です。その後、薪ストーブの研究を続けた末に、アメリカの薪ストーブの総代理店として薪ストーブを販売するようになりました。ワクワクする方向に流れて行ったら今の生活になったんです」

 南アルプスが一望できる土地を駒ヶ根市に見つけて仕事をすることになったポールさん。「駒ヶ根は天竜川があって、山に囲まれていて自然が豊か。田んぼがあって、桜もハナモモもあって、雪景色もある…。鳥の声や川の音を聞くことができるし、きれいな太田切川では飛び込みができるところがあるんです。本当に良い所ですよ。心が豊かになります」

 

駒ヶ根市から薪ストーブと
薪火のある暮らしを提案

 

 「薪ストーブの暮らしは本当に楽しい! 薪割りは気持ちがいいし、火をつけるのはワクワクします。小さな火が大きな炎になっていく瞬間がいいですね」薪ストーブは部屋や体を温めるだけではないと言います。薪火でピザを焼いたり煮込み料理を作ったり。さらに、庭でも薪火を楽しむパイオニアとして、「こんなのがあったら便利」と思うツールを自社開発し、薪火を使って自分の庭で遊ぼうと提案しています。もちろんキャンプで使えるものもたくさんあります。

 多くのオリジナル商品を手がけるポールさんですが、中でもグランマーコッパーケトルは思い入れの強いアイテム。

 「お祖母さんが愛用していた19世紀のコッパーケトルを私にプレゼントしてくれたんです。それを時間をかけて日本仕様に復刻しました。いいものは時代を超えて長く使えるのが魅力。そんな素敵なモノをこれからもたくさん商品化していきます。100の企画の中で、まだ3割も作ってないからね、1つずつ実現していきたいですね」

 

 

 

ファイヤーサイド株式会社

駒ヶ根市赤穂497-871

0265-82-4676

https://www.firesidestove.com

 

ショールーム ・Zcoo-Shop (ズクショップ)

0265-82-7366